海外旅行の航空券を少しでも安く購入したいと思ったことはありませんか?
航空券を安くする方法の一つに、日本ではなく海外を出発地として航空券を購入する「海外発券」があります。
私は2019年のANA SFC修行で、クアラルンプール発券を実際に利用しました。
SFC取得までに搭乗した国内線・国際線の全ルートや、約60万円かかった費用、獲得したプレミアムポイントについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ANA SFC修行の全ルートと費用を公開|2019年に国際線中心で取得
当時はクアラルンプール発券をつなげながら、年に1〜2回クアラルンプールへ行っていました。
日本発券よりも大幅に安く購入できることがあり、国際線航空券に日本国内線を組み込めるのも大きなメリットでした。
一方、円安や航空運賃の変化により、現在は必ずしも海外発券が安いとは限りません。
この記事は2020年に公開した内容をもとに、2026年時点の運賃例や注意点を加えて更新しています。
2026年8月追記
海外発券の仕組み自体は現在も利用できます。ただし、「海外発券なら必ず安い」「日本発券の半額になる」とは限りません。
海外発券の運賃だけでなく、出発地となる海外都市までの航空券代、為替、燃油サーチャージ、変更・払い戻し条件、最長滞在日数まで確認する必要があります。
海外発券とは
海外発券とは、日本ではなく海外の都市を出発地として航空券を購入する方法です。
通常、日本から海外旅行へ行く場合は、次のような旅程で航空券を購入します。
日本 → 海外 → 日本
海外発券では、出発地と到着地が反対になります。
海外 → 日本 → 海外
海外で航空券を購入するという意味ではなく、航空券の旅程上の出発地が海外になっているのがポイントです。
例えば、クアラルンプール発券で日本国内線を組み込むと、次のような旅程を作ることができます。
クアラルンプール → 東京 → 沖縄(那覇)→ 東京 → クアラルンプール
この航空券だけを見ると、クアラルンプールを出発して日本を旅行し、再びクアラルンプールへ戻る旅程です。
日本在住者が利用する場合は、最初に日本からクアラルンプールへ行く航空券を別に用意する必要があります。
海外発券を繰り返す仕組み
最初に日本からクアラルンプールへ移動した後は、海外発券をつなげて利用することもできます。
例えば、次のような流れです。
- 別に用意した航空券で東京からクアラルンプールへ行く
- 海外発券した航空券でクアラルンプールから東京へ戻る
- 後日、東京からクアラルンプールへ行く
- 次に購入した海外発券の航空券でクアラルンプールから東京へ戻る
私はこの方法を利用し、年に1〜2回クアラルンプールへ行っていました。
ただし、厳密には「無限ループ」というより、次回のクアラルンプール旅行と次の海外発券をつなげていく方法です。
海外発券をやめるときには、最後にクアラルンプールから日本へ戻る航空券も必要になります。
ANA海外発券のメリット
日本発券より安くなることがある
国際線の航空運賃は、単純に飛行距離だけで決まるわけではありません。
出発国の物価、航空需要、競合する航空会社、航空会社の販売戦略などによって運賃が設定されます。
そのため、同じ区間を飛ぶ場合でも、日本発券よりクアラルンプール発券の方が安くなることがあります。
ただし、現在は路線や搭乗時期、予約クラスによる差が大きく、常に海外発券が安いわけではありません。
日本国内線を組み込めることがある
海外発券の大きな魅力は、国際線航空券に日本国内線を組み込める場合があることです。
ANAが2026年8月に実施したマレーシア発の「HELLO BLUE SALE」では、国際線と日本国内線を同じ旅程で同時に購入・発券した場合、東京経由の日本国内都市行きが東京行きと同額になると案内されていました。
東京で往路・復路それぞれ1回のストップオーバーも可能とされており、日本に滞在しながら国内旅行を組み込める運賃になっていました。
ただし、対象都市、追加料金、ストップオーバー、最長滞在日数などは運賃ごとに異なります。予約時には必ず最新の運賃規則を確認してください。
早い時期から予約できる
ANAグループ便は、原則として旅程の最終区間搭乗日の355日前から予約できます。
そのため、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの繁忙期も、早めに旅程を決めて予約できる可能性があります。
ただし、安い予約クラスの席が最初から用意されているとは限らず、繁忙期が対象外となっている運賃もあります。
2020年当時の海外発券価格
私が当時調べたときは、次のような価格でした。
通常の日本発券
東京 → クアラルンプール → 東京
東京 → 沖縄(那覇)→ 東京
エコノミークラスの合計は131,870円でした。
内訳は次のとおりです。
- 東京-クアラルンプール往復:77,150円
- 東京-沖縄(那覇)往復:54,720円
クアラルンプール発券
クアラルンプール → 東京 → 沖縄(那覇)→ 東京 → クアラルンプール
エコノミークラスは78,787円でした。
国際線区間をビジネスクラスにした場合でも157,190円でした。
当時は、日本発券と国内線航空券を別々に購入するより、クアラルンプール発券に日本国内線を組み込んだ方が大幅に安くなりました。
ただし、この78,787円には、最初に東京からクアラルンプールへ移動する航空券代は含まれていません。
海外発券を継続して利用する場合は次の航空券とつなげられますが、1回だけ利用する場合は、出発地までの航空券代も含めて比較する必要があります。
※掲載している運賃と検索画面は2020年当時のものです。現在の価格や運賃条件とは異なります。
2026年現在も海外発券は安い?
2026年現在も、海外発券が安くなるケースは残っています。
直近では、ANAが2026年8月7日から8月13日まで実施したマレーシア発のセールで、クアラルンプール発の日本行き往復運賃が次のように設定されていました。
| 搭乗クラス | 2026年のセール運賃 | 円換算の目安 |
|---|---|---|
| エコノミークラス | MYR 2,399から | 約93,500円 |
| ビジネスクラス | MYR 7,799から | 約303,900円 |
円換算は、2026年8月14日の1MYR=約38.96円で単純計算しています。実際の請求額は、カード会社の換算レートや海外事務手数料によって異なります。
為替参考:Bank Negara Malaysia
2020年当時のエコノミークラス78,787円と比べると、セールを利用すれば現在も比較的安い水準です。
一方、ビジネスクラスは当時の157,190円に対して、直近のセールでは円換算で約30万円となっています。
同じ搭乗日や運賃条件ではないため単純比較はできませんが、以前と同じような価格で購入できるとは限りません。
また、このセール運賃は最短滞在3日、最長滞在21日という条件でした。
日本在住者がクアラルンプール発券を数か月にわたってつなげる使い方には適していません。
安い価格が表示されても、運賃規則によって希望する旅程を組めないことがあるため注意が必要です。
海外発券のデメリットと注意点
出発地までの航空券が必要
海外発券で最も忘れてはいけないのが、最初に海外の出発地まで移動する必要があることです。
クアラルンプール発券の場合は、最初に日本からクアラルンプールへ行く航空券を別に用意します。
海外発券の運賃だけを見ると安くても、この航空券代を加えると日本発券より高くなる場合があります。
特典航空券やセール運賃などでクアラルンプールまで安く移動できるかどうかも重要です。
安い運賃は変更できないことがある
国際線航空券の変更や払い戻し条件は、購入する運賃によって異なります。
安い運賃では、予約変更ができなかったり、高い取消手数料が設定されていたりする場合があります。
海外発券を複数の航空券でつなげていると、一つの旅行を変更しただけで、その後の旅程にも影響する可能性があります。
購入前に次の項目を確認しておきましょう。
- 予約変更の可否
- 取消手数料
- 最短・最長滞在日数
- ストップオーバーの条件
- 燃油サーチャージや税金
- 予約クラス
- マイル・プレミアムポイント積算率
航空券は記載された順番で利用する
海外発券した航空券は、旅程に記載された順番どおりに利用する必要があります。
例えば、クアラルンプール発の最初の便に搭乗せず、途中の東京発便から利用することはできません。
ANAでは、利用しなかった区間がある場合、航空券が無効となり、残りの区間も利用できないと案内しています。
為替によって円換算額が変わる
海外発券は、出発国の通貨で運賃が設定される場合があります。
クアラルンプール発券であれば、マレーシアリンギット建ての運賃が基準です。
航空券を検索したときは安く見えても、円安が進むと日本円での支払額は高くなります。クレジットカードの海外事務手数料が加わることもあります。
「現地通貨ではいくらか」だけでなく、「最終的に日本円でいくら支払うのか」を確認することが大切です。
複数の旅行が影響し合う
海外発券を継続すると、複数の旅行にまたがって航空券を保有することになります。
台風や欠航などで旅程が変更された場合だけでなく、仕事や体調などの理由で旅行へ行けなくなった場合も、その後の航空券に影響する可能性があります。
以前は安さに大きなメリットがありましたが、価格差が小さくなっている場合は、複数の航空券を管理する手間も含めて判断する必要があります。
ANA海外発券の予約方法
ANAの海外発券は、ANAウェブサイトから検索できます。
1.ANAの国際線航空券検索を開く
ANAウェブサイトで国際線航空券の検索画面を開きます。
マレーシア発の運賃を確認する場合は、ANAサイトの国・地域を「Malaysia」、言語を「日本語」に変更する方法もあります。
2.「複数都市で検索」を選択する
往復検索では希望する国内線区間を組み込めない場合があるため、「複数都市で検索」を選択します。
3.希望する区間と日程を入力する
例えば、次のような区間を順番に入力します。
- クアラルンプール → 東京
- 東京 → 沖縄(那覇)
- 沖縄(那覇)→ 東京
- 東京 → クアラルンプール
旅程によっては、東京での滞在がストップオーバーとして扱われます。
4.最終金額と運賃条件を確認する
検索結果が表示されたら、価格だけでなく運賃規則も確認します。
特に重要なのは、最長滞在日数と予約変更の可否です。
運賃表示や決済通貨は、利用するANAの地域サイトや発券条件によって異なる場合があります。最後の決済画面で、通貨と支払総額を必ず確認してください。
なお、海外発券はANAだけでなくJALでも利用できます。
海外を出発地とする仕組みは同じですが、JALではサイトの国・地域を変更してから「複数都市」または「自由旅程」で検索するなど、ANAとは予約方法が少し異なります。
JALの海外発券については、実際の検索手順や当時のクアラルンプール発運賃をこちらの記事で紹介しています。
海外発券が向いている人
海外発券が向いているのは、次のような人です。
- 年に何度も海外旅行へ行く
- クアラルンプールなど出発地となる都市へ定期的に行く
- 次回の旅行日程を早めに決められる
- 特典航空券などで出発地まで安く移動できる
- 運賃規則や予約クラスを自分で確認できる
- ANAのマイルやプレミアムポイントも貯めたい
一方、次のような人にはあまり向いていません。
- 海外旅行は1回だけの予定
- 次の旅行日程が決まっていない
- 予約変更の可能性が高い
- 複数の航空券を管理したくない
- 出発地までの航空券が高い
まとめ|海外発券は総額で判断する
ANAの海外発券は、2026年現在も利用でき、条件が合えば日本発券より安くなることがあります。
特に、国際線航空券に日本国内線を組み込める運賃は魅力的です。
ただし、以前のように「海外発券なら約半額になる」とは限りません。
比較するときは、次の費用をすべて含めて考える必要があります。
- 海外発券した航空券の代金
- 最初に海外の出発地まで行く航空券代
- 海外発券を終了するときに日本へ戻る航空券代
- 為替やクレジットカードの手数料
- 必要に応じた現地の宿泊費や移動費
当時の私は年に1〜2回クアラルンプールへ行っていたため、海外発券をつなげる方法と相性がよく、大きなメリットがありました。
現在利用する場合は、海外発券の表示価格だけで判断せず、日本発券と最終的な総額を比較してから購入するのがおすすめです。


コメント