ANAは2026年8月18日、「2026年度下期 ANAグループ航空輸送事業計画を一部変更」を発表しました。
今回発表された国内線の計画は、2026年10月25日から始まる冬ダイヤを中心としたものです。
ANA国内線全体の運航便数は前年同期比101%となり、羽田―福岡線や伊丹―札幌・函館・那覇線などが増便されます。
一方、羽田―伊丹線や伊丹―福岡・松山・大分線は減便されるなど、伊丹空港発着路線を中心に大きな再編が行われます。
さらに注目したいのが、競合するANAとJALが羽田―岡山線の運航ダイヤを調整したことです。
この記事では、ANAが発表した2026年冬ダイヤの国内線について、増便・減便される路線や羽田―岡山線のダイヤ調整、新機材ボーイング737-8の受領予定を紹介します。
なお、JALの2026年冬ダイヤについても、国内線の増便や新規路線、主な変更点を別の記事でまとめています。ANAとJALの冬ダイヤを比較したい方は、あわせてご覧ください。

※本記事は2026年8月18日に発表されたANA公式「2026年度下期 ANAグループ航空輸送事業計画を一部変更」をもとに作成しています。運航計画は関係当局への申請・届出・認可が前提となります。
ANAの2026年冬ダイヤはいつから?
2026年冬ダイヤの基本的な対象期間は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 冬ダイヤ開始日 | 2026年10月25日 |
| 冬ダイヤ終了日 | 2027年3月27日 |
| ANA国内線の運航便数 | 前年同期比101% |
ANAの公式発表では「2026年度下期の航空輸送事業計画」と表現されていますが、航空業界のダイヤ区分では2026年冬ダイヤに相当します。
すべての路線を一律に増便するのではなく、需要の見込める路線を増便する一方、収益性などを考慮して一部路線を減便する内容です。
羽田―福岡線を1日20往復へ増便
羽田―福岡線は、2026年10月25日から1日19往復から20往復へ増便されます。
| 路線 | 現行 | 変更後 | 実施時期 |
|---|---|---|---|
| 羽田―福岡 | 1日19往復 | 1日20往復 | 2026年10月25日から |
羽田―福岡線は、ビジネスと観光の両方で需要が大きい国内幹線です。
ANAは2026年度上期に1日20往復から19往復へ減便していましたが、冬ダイヤでは再び20往復へ戻すことになります。
JALも2026年冬ダイヤで羽田―福岡線を1日17往復から18往復へ増便するため、両社ともに需要の強い羽田―福岡線を強化します。
伊丹―札幌・函館・那覇線を増便
伊丹空港では、北海道・沖縄方面の路線が増便されます。
| 路線 | 現行 | 変更後 | 実施時期 |
|---|---|---|---|
| 伊丹―札幌 | 1日5往復 | 1日6~7往復 | 2026年10月25日から |
| 伊丹―函館 | 1日1往復 | 1日2往復 | 2026年10月25日から |
| 伊丹―那覇 | 1日4往復 | 1日5~6往復 | 2026年10月25日から |
特に伊丹―函館線は1日1往復から2往復へ倍増します。
伊丹―札幌線と伊丹―那覇線も、運航日によって便数が異なるものの、最大でそれぞれ1日7往復、1日6往復となります。
JALも2026年冬ダイヤで伊丹発着の北海道・沖縄路線を強化しており、関西から北海道や沖縄へ向かう需要の強さが表れた計画といえそうです。
成田―札幌を増便、成田―福岡を期間運航
2027年1月から3月にかけては、成田空港発着の国内線も強化されます。
| 路線 | 運航内容 | 実施期間 |
|---|---|---|
| 成田―札幌 | 1日1往復から2往復へ増便 | 2027年1月5日~2月14日 |
| 成田―福岡 | 1日1往復を期間運航 | 2027年2月4日~3月27日 |
成田―福岡線は通年運航ではなく、2027年2月4日から冬ダイヤ最終日の3月27日までの期間運航です。
ANAは、訪日旅客の需要が高まる1月から3月に成田発着の国内線を強化し、国際線から国内線へ乗り継ぐ利用者の取り込みを進めます。
羽田空港ではなく成田空港で国際線と国内線を乗り継げるため、訪日旅行者にとっては移動の負担を減らせる可能性があります。
中部―札幌、福岡―札幌も期間増便
年末年始や冬の旅行需要に合わせて、中部―札幌線と福岡―札幌線も期間増便されます。
| 路線 | 変更後 | 主な増便期間 |
|---|---|---|
| 中部―札幌 | 1日6~7往復 | 2026年12月25日~2027年1月4日、2月4日~3月27日 |
| 福岡―札幌 | 1日3往復 | 2026年12月8日~2027年1月11日、2月4日~3月27日 |
北海道の雪や冬の観光需要に加え、年末年始や春休みに向けた移動需要を取り込む計画と考えられます。
羽田―札幌・那覇線などでも、高需要期や週末を中心とした期間増便が継続されます。
羽田―伊丹など4路線は減便
増便される路線がある一方、伊丹空港発着の4路線は2026年10月25日から減便されます。
| 路線 | 現行 | 変更後 |
|---|---|---|
| 羽田―伊丹 | 1日15往復 | 1日14往復 |
| 伊丹―福岡 | 1日5往復 | 1日4往復 |
| 伊丹―松山 | 1日8往復 | 1日7往復 |
| 伊丹―大分 | 1日4往復 | 1日2往復 |
伊丹―大分線はANA運航便が1日4往復から2往復へ半減します。
ただし、同路線ではアイベックスエアラインズが運航する便とのコードシェアを開始する予定です。
単純に路線を縮小するだけでなく、グループ外の航空会社との連携も活用しながら、利用者の選択肢と路線網を維持していく動きとみられます。
ANAとJALが羽田―岡山線のダイヤを調整
今回の発表で最も注目したいのが、ANAとJALによる羽田―岡山線の運航ダイヤ調整です。
ANAとJALは競合関係にありますが、これまで両社の出発時刻が近かった一部の便について時間差を設け、利用者が選べる時間帯を広げます。
2026年冬ダイヤの両社の出発時刻は、次のように設定されます。
| 出発地 | ANA | JAL |
|---|---|---|
| 羽田発 | 7:25、10:00、12:05、18:00、20:15 | 8:20、10:35、14:35、17:00、20:00 |
| 岡山発 | 7:05、9:30、14:05、17:50、20:00 | 7:15、10:35、12:40、17:15、19:00 |
すべての便が均等な間隔になるわけではありませんが、両社がそれぞれ独自にダイヤを設定するだけでなく、路線全体の使いやすさを考えて時間帯を調整した点が重要です。
個人的には、これは単なる1路線の時刻変更以上に大きなニュースだと思います。
これまで国内線では競争が基本でしたが、利用者の減少や運航コストの上昇によって、航空会社がそれぞれ同じ時間帯に便を飛ばし続けることが難しい路線も出てきています。
そのような環境のなかで、競合するANAとJALが路線維持と利便性向上のために協調へ踏み出したことは、今後の国内線ネットワークを考えるうえでも注目されます。
JAL側も、2026年度下期の路線便数計画のなかで、ANAとのダイヤ調整によって便の選択肢を広げると説明しています。
現時点でコードシェアが決まったわけではない
今回、羽田―岡山線で実施されるのは、ANAとJALによる「運航ダイヤの調整」です。
ANA便をJAL便名でも販売する、あるいはJAL便をANA便名でも販売するコードシェアが決まったわけではありません。
また、どちらか一方の航空会社に運航を集約することも、現時点では発表されていません。
ただしANAは、今後について次のような取り組みを検討するとしています。
- 航空会社間での便数調整
- 特定の運航会社への運航集約
- コードシェア路線の拡大
- コードシェアを実施する航空会社の拡大
- 競合する航空会社間でのさらなる協調
そのため、将来は羽田―岡山線以外でも、ANAとJALなどがダイヤや便数を調整する可能性があります。
利用者の少ない地方路線を残すために必要な協調である一方、便数や競争が減ることで運賃にどのような影響が出るのかも、今後確認していきたいところです。
ボーイング737-8を2026年10月以降に受領
ANAは、新機種となるボーイング737-8を2026年10月以降に受領する予定です。
ボーイング737-8は「737 MAX 8」とも呼ばれる機種で、ANAの国内線で使用されているボーイング737-800などの後継を担う機材となります。
ただし、今回の発表では具体的な受領日や就航路線、運航開始日は明らかにされていません。
2026年冬ダイヤの期間中に受領予定となっているため、最初に投入される路線や機内仕様についても注目したいところです。
ANAの2026年冬ダイヤまとめ
ANAの2026年冬ダイヤでは、国内線全体の運航便数が前年同期比101%となります。
羽田―福岡線を1日20往復へ戻すほか、伊丹―札幌・函館・那覇線を増便し、北海道・沖縄方面の需要を取り込みます。
2027年1月から3月には成田―札幌線を増便し、成田―福岡線を期間運航することで、成田空港で国際線から国内線へ乗り継ぐ訪日旅客の利用も強化します。
一方、羽田―伊丹線や伊丹―福岡・松山・大分線は減便されます。伊丹―大分線ではIBEXとのコードシェアを開始するなど、他社との役割分担も進みます。
そして今回の発表で最も大きな変化は、ANAとJALが羽田―岡山線の運航ダイヤを調整したことです。
現時点ではコードシェアや運航会社の集約が決まったわけではありませんが、ANAは競合他社とのさらなる協調も検討すると明記しています。
今後、羽田―岡山線と同じような取り組みがほかの地方路線にも広がるのか、国内線の便数や運賃がどのように変わっていくのか、引き続き注目したいと思います。



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