B767-346ERの意味は?JAL「46」とANA「81」の秘密

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Flightradar24などで飛行機の機材情報を調べると、「B767-346ER」という表記を見かけることがあります。

一般的な「767-300ER」とは少し違いますが、この「346」は何を意味しているのでしょうか。

実は「3」は767-300型、「46」はJAL向けに製造されたことを示すカスタマーコードです。ANA向けなら「81」となり、「B767-381ER」と表記されます。

この記事では、ボーイング機の型式番号に隠された意味を、JALとANAの実例を中心に解説します。

B767-346ERの「346」を分解してみる

まずは「B767-346ER」を3つに分けてみます。

表記 意味
B767 ボーイング767という機種
3 767-300系列
46 当初の顧客がJALであることを示すカスタマーコード
ER Extended Range(航続距離延長型)

ポイントは「346」を一つの数字として読まないことです。

767-300の「3」と、JALのカスタマーコード「46」がつながって「767-346」になったと考えると分かりやすくなります。

「346」は性能の高さや座席数、エンジンの種類を示す数字ではありません。末尾の2桁は、原則としてその機体が最初にどの顧客向けとして製造されたかを示す識別情報です。

「46」はJAL、「81」はANAのカスタマーコード

ボーイングは長年、航空会社などの顧客に2文字のカスタマーコードを割り当て、機体の詳細な型式表記に組み込んでいました。

日本の代表的なコードが次の2つです。

カスタマーコード 当初の顧客
46 日本航空(JAL)
81 全日本空輸(ANA)

したがって、同じ767-300ERでも次のように表記が変わります。

詳細な型式 読み方
B767-346ER 767-300ER+JALの「46」
B767-381ER 767-300ER+ANAの「81」

「46だからJAL向け」「81だからANA向け」という読み方が、この記事で最も覚えておきたいトリビアです。

ただし、これは現在の所有者や運航会社を示すコードではありません。製造時の顧客を示すものであり、この違いは後ほど詳しく説明します。

737でも同じ法則が見える

このルールは767だけのものではありません。従来世代の737にも同じ仕組みが使われました。

詳細な型式 分解すると 当初の顧客
B737-846 737-800+46 JAL
B737-881 737-800+81 ANA

737-800の「800」のうち、先頭の「8」を残し、その後ろにカスタマーコードを付けた形です。

そのため「737-846」は737-800の特別な高性能型という意味ではありません。「8」がシリーズ、「46」がJAL向けであることを表しています。

空港や航空追跡サイトで「B738」と表示されている機体の詳細を開いたら「737-846」だった、ということがあります。この2つは矛盾していません。B738は機種を簡潔に示すコード、737-846は製造時の顧客まで読み取れる詳細な型式表記です。

747や777にも「46」と「81」があった

JALとANAが過去に運航した747や、両社の777でも同じ法則を確認できます。

JALの主な例

型式 意味 2026年9月時点の位置付け
B737-846 737-800+46 現役機種
B767-346ER 767-300ER+46 現役機種
B747-446 747-400+46 退役済み
B777-346ER 777-300ER+46 現役機種(順次A350-1000へ更新)

ANAの主な例

型式 意味 2026年9月時点の位置付け
B737-881 737-800+81 現役機種
B767-381ER 767-300ER+81 現役機種
B747-481 747-400+81 退役済み
B777-281 777-200+81 現役機を含む系列
B777-281ER 777-200ER+81 現役機種
B777-381ER 777-300ER+81 現役機種

たとえば「B777-346ER」は、777-300ERの「3」とJALの「46」を組み合わせたもの。「B777-381ER」は同じ777-300ERでも、ANAの「81」が付いたものです。

一方、JALとANAの747はすでに旅客運航を終えています。747-446や747-481は現在の保有機材ではなく、両社の歴史を伝える型式です。

なお、ここでの「現役機種」は型式系列についての整理です。保有機数や稼働状況は退役・導入・整備によって変動します。

中古で他社へ移籍しても数字は残る

カスタマーコードの面白さが最もよく分かるのが、中古機の移籍です。

「46」は、今その機体をJALが所有しているという意味ではありません。「その機体が当初、JAL向けとして製造された」という履歴です。

JAL向けに製造されたB737-846が後に別の航空会社へ売却されても、機体の詳細な型式は原則としてB737-846のままです。新しい運航会社のカスタマーコードへ書き換わるわけではありません。

そのため、中古機の型式に「46」が残っていればJAL由来、「81」が残っていればANA由来である可能性を推測できます。型式番号が、いわば機体の「出自」を伝える手掛かりになるのです。

ただし、カスタマーコードだけで現在の運航会社を断定することはできません。正確な現所有者や運航状況は、機体記号(レジ番号)や製造番号を使って確認する必要があります。

また、同じB767-346ERでも、製造年、エンジン仕様、座席数、国内線・国際線の客室仕様、改修履歴まで同じとは限りません。「型式が同じ=機内も同じ」ではない点にも注意が必要です。

787-8はなぜ「787-846」ではないのか

ここまで読むと、「JALの787-8ならB787-846ではないのか」と思うかもしれません。

しかし、787は通常「B787-8」「B787-9」「B787-10」と表記され、JAL機でもANA機でも従来のカスタマーコードを組み込んだ型式にはなりません。

理由は、787では当初から従来方式のカスタマーコードが採用されなかったためです。737 MAXや777Xも同様です。

さらにボーイングは2016年、737NG、747-8、767、777といった従来機種についても、一定の製造ライン番号以降はカスタマーコードを使わない方針へ移行しました。

整理すると次のようになります。

世代・機種 型式表記の考え方
従来方式で製造された737NG、747、767、777など 737-846、767-381ER、777-346ERなど
787 787-8、787-9、787-10
737 MAX 737-8、737-9など
777X 777-8、777-9など
2016年の変更後に製造された一部の従来機種 顧客コードを含まない一般的な型式表記

したがって、JAL向けの737 MAX 8も「737-846」のようにはならず「737-8」、ANA向けの737 MAX 8も「737-881」ではなく「737-8」です。

カスタマーコードは航空機の歴史を読む楽しい手掛かりですが、新しく製造される機体からは少しずつ見えにくくなっています。

ERは「航続距離延長型」

B767-346ERやB777-381ERの末尾にある「ER」は、Extended Rangeの略です。日本語では一般に「航続距離延長型」と説明されます。

基本型をもとに、燃料搭載量、最大離陸重量、機体構造などを長距離運航に対応させた派生型です。ただし、具体的にどの部分が強化されているかは機種によって異なります。

ここでも重要なのは、ERとカスタマーコードを別々に読むことです。

たとえばB767-346ERなら、

  • 767:機種
  • 3:300系列
  • 46:JALのカスタマーコード
  • ER:Extended Range

となります。

なお、777-300ERは基本型の777-300より長距離運航に対応した派生型ですが、「ERが付けばすべて同じだけ航続距離が延びる」という意味ではありません。

300、800、900などは機体の派生型を示す

「46」「81」が顧客を示す一方、300、800、900などは機体のシリーズや派生型を区別する数字です。

一般的な表記 意味
767-300ER 767の胴体延長型である300系列の航続距離延長型
737-800 737 Next Generationの800系列
777-200ER 777の200系列の航続距離延長型
777-300ER 777の胴体延長型である300系列の航続距離延長型
787-8/787-9/787-10 787ファミリーの各派生型

カスタマーコード方式では、たとえば767-300の末尾2桁「00」に相当する部分を顧客コードへ置き換え、767-346や767-381のように表しました。

ただし、この数字から座席数を直接判断することはできません。同じ派生型でも航空会社や客室仕様によって座席数は異なります。

763、738、788、789はカスタマーコードではない

航空券の予約画面や時刻表では、「763」「738」「788」「789」といった3文字の機種コードを見かけます。

これらは、航空会社が予約案内などで機種を簡潔に示すために使うコードで、JALの「46」やANAの「81」とは別物です。

機種コードの例 主に示す機種
763 ボーイング767-300/767-300ER
738 ボーイング737-800
772 ボーイング777-200/777-200ER
773 ボーイング777-300
77W ボーイング777-300ER
788 ボーイング787-8
789 ボーイング787-9
78X ボーイング787-10

たとえば予約画面の「763」は767-300系列を大づかみに示しますが、それだけではJAL向けの767-346ERか、ANA向けの767-381ERかまでは分かりません。

一方、「767-346ER」という詳細表記を見れば、従来方式でJAL向けに製造された機体だと読み取れます。

なお、予約画面の機種コードや座席表記は航空会社ごとに運用上の表現が異なる場合があり、機材変更もあります。搭乗便の座席仕様を知りたいときは、予約先航空会社の最新のシートマップを確認するのが確実です。

現在のJAL・ANAでこの表記を見られる機種

2026年9月時点で、従来方式のカスタマーコードを読み取れる代表的な現役機種は次のとおりです。

航空会社 現役の代表例 読み取れるコード
JAL 737-800、767-300ER、777-300ER 46
ANA 737-800、767-300ER、777-200/200ER、777-300/300ER 81

JALグループの公式機材数資料(2026年3月31日時点)には、737-800、767-300ER、777-300ERが掲載されています。ANAの公式サイトでも、737-800、767-300ER、777各型の座席・機材案内を確認できます。

一方、JALとANAの747はすでに退役しています。JALの777-200/200ERも全機が退役しているため、「777-246」や「777-246ER」は、現在では過去のJAL機に見られる型式となっています。

今後はJALの737-800が737-8へ、767の一部がA321neoなどへ順次更新される計画です。ANAでも737-800から737-8への更新が進みます。新世代機では「46」「81」を型式に入れないため、現役機でこの数字を見る機会は次第に減っていくでしょう。

まとめ:「46」と「81」が分かれば機体の出自が見える

B767-346ERの「346」は、謎の性能値ではありません。

  • 「3」は767-300系列
  • 「46」はJALのカスタマーコード
  • 「ER」はExtended Range(航続距離延長型)

ANA向けの767ならカスタマーコードは「81」なので、B767-381ERとなります。

同じ法則で、B737-846はJAL向けの737-800、B737-881はANA向けの737-800。B777-346ERはJAL向け、B777-381ERはANA向けの777-300ERだと読み取れます。

しかも、その機体が中古で別の航空会社へ移籍しても、詳細な型式には原則として元のコードが残ります。数字を見れば、機体がどこから来たのかを推測できる。これがカスタマーコードの面白さです。

ただし、787、737 MAX、777Xでは従来のカスタマーコードは使われていません。従来機種でも2016年から廃止が進んだため、「46」「81」はこれから少しずつ貴重な航空トリビアになっていきます。

次にFlightradar24などで「767-346ER」や「737-881」という表記を見かけたら、末尾の2桁に注目してみてください。飛行機の型式番号が、これまでより少し面白く見えるはずです。

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